「鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ」読了
いつか読まなきゃと思っていた一冊。企画書を書くことを思い立ってから読んだ(遅)。
- 作者: パトリック・G.ライリー,Patrick G. Riley,池村千秋
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 単行本
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偉い人は時間が貴重だから、何ページもの企画書は読む暇がないよ、だから読んでもらうためには1枚にまとめなさいと大富豪のカショーギから教えてもらったんだ。それから僕はそのエッセンスを煮詰めていくつかの鉄則をあみ出し、数々の企画を成功させてきた。企画書の極意は本当は秘密にしておこうと思ったんだけど、もったいないからみんなに教えてあげよう。
というものだ。読んでいてなるほどと思えるところは多く、価値ある一冊だと思う。ただ、本でも触れられているが、企画書を書き上げるのに必要な時間を短縮することが目的の本ではないし、多分逆により時間を必要とすることになると思う。思いつく限りの関係する事を調べ上げ、そして(直接問われないかもしれないが)想定される問いへの納得いく答えを用意した上でそれを1枚に濃縮するというところがミソであって、手を抜くための技術なんかではないということだ。
残念なのはあくまでもこれが翻訳本であるという点だ。いくつか出てくる企画書例のどれを見ても英文を翻訳したと気づかせる日本語らしからぬ香りが鼻につく。その欠点を差し引いてもA4一枚の中の構成のしかた、順序、そしてそれらの意味をまとめてあり、すばらしい一冊だ。企画書を書こうと思ったとき何度も参照して自分のスキームにしていく、そういう本だと思う。
できればこれを礎として日本国内で実績を出した人による「日本語による」一冊を出してくれたらと思う。でもそこまでヒントを出す必要もないか。この本だけでも十二分なヒントになっているはずだから。